カナダの児童給付制度
近年カナダにおける児童の貧困率がアメリカを除く他の先進国の中でとりわけ高い。また、少子高齢化の進行が加速し、社会保障制度の財源調達にもたらす問題もある。 出生率の低下傾向を逆転させ、児童養育に対する経済的社会的サポートを強化するための政策をすべきだという圧力が高まっている。
児童給付制度
児童に対する所得維持制度
「児童税給付 (Child Tax Benefit) CTB 」 |
連邦政府の制度 |
「社会扶助制度 (Social Assistance Programs) 」 |
州・市町村政府の制度 |
ヨーロッパ諸国の家族政策の前提は、児童の養育は社会的責任である。それを堅持しているカナダの児童給付制度は3つの目的を持つ。
1. |
次の世代を養育する親の寄与を認めること |
2. |
低所得家庭の児童のニーズを満たすためその親を援助すること |
3. |
経済の活性化に役立つこと |
カナダでは、児童のいる家庭は児童のいない家庭に比べ、特別のニーズをもっており、次世代の担い手である児童の養育費の一部は国民全体が負担するのが公平であると考えられている。したがって、 384万の融資世帯のうち 330 万世帯が現行の児童給付を受給している。 18歳未満の児童の居る世帯の 86 %が非課税の給付を受けており、日本の 1.6 %に比べるとかなり適用範囲は広い。離婚率の高いカナダにおいて、母子家庭の60%は児童貧困であるといわれている。
Child Tax Benefit(CBT)
「基本給付」は児童養育費絵を援助するための給付であり、インカムテストを伴い、世帯の児童数により給付額は異なる。基本給付の最高額は児童一人当たり年額 C$1,020、第三子以降の児童にはそれぞれ C$75 が加算される。家計純所得 C$25,921 未満のすべての世帯に最高額が給付される。これを超えると一子世帯については超えた所得の2.5%、二子以上の世帯については 5 %が減額される。二子世帯までは家計純所得 C$67,000 を超えると基本給付は支給されない。 7 歳未満児童に対する「補足給付」は、児童一人当たり C$213 である。この補足給付は就学前児童を養育するためには直接もしくは間接の追加的コストがかかることをみとめて、支給するもの。 ⇒参考:日本の場合は6歳未満、年収の2%のみ
稼働所得補足(WIS)
ワーキングプアー世帯の稼働所得を細くする給付である。稼働所得が C$3,750 を超えると受給がはじまり、所得の8%が WIS として支給される。稼働所得が C$10,000 から C$20,921の世帯では児童数に関係なく最高額 C$500支給される。それを超えると超えた所得の10%の割合で減額され、 C$25,921以上の世帯には稼働所得補足は支給されない。
州政府の児童給付
連邦政府は 1966 年に「カナダ社会扶助制度 (Canada Assistance Plan: CAP) 」を制定した。州および市町村政府の社会扶助は、資力のない世帯の基礎的生計費を充足するため給付を行う制度である。 1993 年には 111 万人の児童が社会扶助受給世帯で生活している。(うち70%はひとり親) Author--Bluepepsi--
参考文献:
先進諸国の社会保障〈 3 〉カナダ 著者: 城戸 喜子
カナダの社会保障 著者: 社会保障研究所
移民のまちで暮らす―カナダ マルチカルチュラリズムの試み 著者:篠原ちえみ
Immigrants Adapt, Countries adopt… or not: 著者:Cherif Rifaat
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