カナダで暮らす
当たり前に人を大切にする国、それがカナダである。 2005 年には、カナダのバンクーバーは英エコノミスト誌で「世界で一番住みやすい都市」に選ばれた。また、ユネスコの「世界の暮らしやすい国」ランキングでは、常にカナダは上位に位置している。このランキングは経済力だけでなく、教育の質や福祉、医療費や休暇など生活の豊かさを示す指標をもとにして推定される。
上り詰めなくても、すごくなくてもいいじゃない。
回り道をしながらゆっくりいこうよ。
そんな空気がカナダにはある。
仕事だけでなく、家庭だけでもなく...
どうしたら生きやすい社会になるのか。
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経済的に豊かといわれる日本はどうもせかせかと行き急ぎ人にあふれている。果たして、日本は本当に豊かなのか。仕事、お金、地位、時間、常に何かに縛られている気がする。日本で生活することを窮屈に思う人は私だけではないはずだ。
Mel Hurtig氏の著書”The Vanishing Country: に記された印象的な文章を紹介しよう。
One thing my parents and their friends had in common: they all thought Canada was a bountiful land of freedom and opportunity. And they had no hesitation in saying that they loved their country.
訳:私の両親や友人は1つだけ共通して:カナダは自由とチャンスの豊かな土地だと。 また、彼らはカナダを愛しているって言うことに何のためらいも無い。 (Hurting氏は中東からの移民者)
事例:AERAより
ある広告代理店で朝 8 時から深夜 2 時まで仕事に没頭する毎日を過ごしていた日本人男性は、大企業勤務という地位や年収を捨ててでもカナダ移住を決意した。、何よりも家族を大切にしたかったからだ。男性の婦人は日本での生活をある意味異常だと感じていたため、移住に躊躇はなかった。現在の日本ではお受験戦争、公園デビューなど常に緊張を強いられる。学習塾が上場し、多大な利益を得ている社会はどうもおかしい。
日本での安定を捨てた代償は大きい。やっとの思いで見つけた保険会社では日本の収入の 3 分の1。経済的に不安定になったにもかかわらず、将来は希望に満ちている。「何とかなるさ」と思える環境なのだ。 収入の 4 割になる高い税金の代わりに、歯医者以外の病院は薬代をのぞいて無料。年金制度も日本のように破綻する心配は渦巻いてない。
日本で一番頭が痛い教育費だが、カナダでは 9 割が高校まで公立で、費用はゼロに近いため心配ない。大学も州立が主なため年間 30 万ほどで、学生は奨学金やアルバイトで学費を払っている。
育児休暇システムも充実している。カナダで重視されている「ワークライフバランス」という言葉が、最近の日本でも注目されてきているとはいえ、なかなか男性の育児休暇取得は進まない。 カナダでは育児休業(産休も含む)は日本と同じく最大 1 年で、通常給与の55%が支給される。制度面では日本とさほど違いはないが、家族観、家庭観の違いが大きいためか、制度を本当に利用できる環境は日本には少ない。
充実した公共サービスや政府から民間への援助の代わりにカナダの税は高い。連邦政府に支払う消費税( GST )は2006年7月に2%減税され5%。加えて州税( PST )も払うため、トロントやバンクーバーで合計 13 %も消費税を払う必要がある。国民所得に対する税負担の割合を示す租税負担率は 02 年の約 42 %で、日本の 22 %を大きく上回る。ほとんどのカナダ人は福祉、医療や教育のサービスが維持できるなら、税金は高くてもよいと感じている。カナダは近年、浪費(歳出)を減らし、高税収を継続的に得た結果、経常収支の赤字を黒字に転換することに成功した。景気良好のカナダは近い将来の減税を計画中である。今後大増税時代を迎える福祉途上国の日本とくらべ将来性はまったく正反対だ。 Author--Bluepepsi--
参考文献:
カナダを知るための60章
著者: 綾部恒雄
明石書店
移民のまちで暮らす―カナダ マルチカルチュラリズムの試み 著者:篠原ちえみ
週刊AERA 2005年11月21日増大号 「回り道でいい カナダの暮らし」 朝日新聞社
The Vanishing Country: Is It Too Late to Save Canada?
Mel Hurtig |